私は片方が陥没、もう片方は扁平乳頭気味の陥没乳首でした。今まで、この胸で困ったことは何一つなかったのだけど、授乳には完全に不向きなおっぱい。
そんな私でも、今は完母で息子を育ててます。本当は混合にしたかったんだけども、途中から完全に哺乳瓶を拒否されてしまい、完母となってしまったが正しいけどね。
というわけで、真性陥没乳首&扁平乳頭の私が完母まで到達した話を書きます。ここに辿り着いた母乳で育てたい陥没乳首、扁平乳頭のママ達の希望になれば…!
生まれてこの方、乳首なんざ見たことない真性陥没乳首だった
母乳をあげるようになるまで、自分の胸に乳首が存在していたことはない。でも、それで困ったことはなかった。むしろ楽。ノーブラで宅配便も受け取れちゃう!もし、私が海外セレブだったら大胆に谷間が空いたドレスもサクッと着こなせるだろう。
それをコンプレックスに思ったことも一瞬あったけど、肌の色や目の色が違うように胸の形も乳首の形も人それぞれだし、まぁいっかと思っていた。
だから、授乳をするまで陥没乳首にも真性と仮性があるとか、扁平乳頭というものも知らなかった。乳首がない人は一律陥没乳首なんだと思ってたし。
因みに寒さや刺激で出てくるのは仮性陥没乳首、乳首が凸と出ておらず、なだらかな乳首を扁平乳頭と言うらしい。そして何をしても出てこないけど乳首は中に存在しているのは真性陥没乳首と言われる。
私は左右共に真性陥没状態で片方の乳首にいたっては、出てきた乳首さえ、なだらかで扁平乳頭だった。これは入院中に助産師さんに教えてもらった。
そんな授乳するにはハードモードすぎる我がおっばいも今や立派なドリンクバーになっているから、人間努力すれば割と何でもできるんだな、と思った。
おっぱいのプロ助産師さんに、マッサージをしてもらった
息子を生んでから安静を命じられていた私は殆んどの時間をベッドの上で過ごしていた。出血多量で物凄い貧血だったのに、病室に戻った日からおっぱいが張りまくり、寝返りを打つたび痛かった。
出血多量になった経緯については下記を参照。
私の体は体内のヘモグロビンと並行して必死に母乳を作っていたようだ。
この頃は授乳といってもなんとなーく、おっぱいを近づけるだけで授乳らしい授乳はしてなかった。助産師さんもそれでオッケーって感じだった。
母乳をあげるより体の回復が優先ということだろう。本来自分で作るべきミルクも、助産師さんが作ってくれていた。
そんな私も病室に戻って二日目で、ようやくシャワーを浴びる許可がおりた。出産で汗だくになったのに、シャワーを浴びられないというのは結構ストレスだったから、シャワーの許可はすごく嬉しかった。
因みに矢内原医院は、共通のシャワー室があり部屋に設置されたiPadで入りたい時間を予約する。なんとも先進的な仕組み。
予約して早速シャワーを浴び、体を洗っていると胸と脇の間にしこりを発見した。今考えれば普通に母乳が溜まってるだけなんだけど、その時の私は「え…!?なにこれ…」とびっくりした。さらに、おっぱい自体も熱を持ち触るだけで痛かったのでささっと洗うに留め、シャワーから出ると急いで身支度をして息子を迎えにナースステーションへ向かった。
そこで助産師さんに胸の痛みやしこりのことを話すとすぐに触診が始まり、母乳が溜まってるね〜と言われた。
助産師さん曰く初産婦の場合、乳腺が狭くおっぱいが途中で詰まってしまい、しこりになってしまうらしい。
というわけで、おっぱいマッサージがスタート。触っただけでも痛いおっぱいをマッサージされるのは激痛だった。ただ、このマッサージをするとおっぱいがでてくるでてくる…。初乳を捨てるのは勿体無いので出てきたおっぱいも小さいカップに入れておいて、あとで哺乳瓶で飲ませた。
このマッサージを入院中に何度かやってもらい、結果的に母乳がめちゃくちゃ出るようになった。
マッサージをしてくれたのは、いつも同じ助産師さんだったのだけど、彼女のマッサージ技術は相当高いらしく、時々他の助産師さんが見学しにくるほどだった。
その人は、おっぱいを触るとその人のどこに乳腺があるか分かるらしく、詰まっている乳腺の手前をぐっと窄め勢いよく出てきた母乳で乳腺を開通させていくらしい。
イメージとしては、掃除するときに、ホースの先端を窄めて勢いよく水を出したりする、あれ。
乳腺の数や状況は人それぞれらしく、私は割とおっぱいのタンクが大きいということだった。放っておいたら危うく乳腺炎になってたもしれない。そういう意味でも、ちゃんと相談してよかったと思った。
入院中に助産師さんに頼りづらくて聞けなかった、うちの病院はそういうのやってくれなかった、という人は母乳外来をやっている病院や桶谷式などといったおっぱいマッサージをしてくれる病院を探すのも手だと思う。
乳首の代わりに、哺乳瓶の乳首→メデラの乳頭保護カバー
もし私が仮性の陥没乳首だったら、自分でマッサージして乳首を出せただろう。ただ、何度もしつこいが私は生まれてこの方、自分の乳首を見たことない真性の陥没乳首。マッサージ程度じゃ出てこない。
というわけで、乳首代わりになるもので、おっぱいを与えることになった。
そして、これが2つ目の試練。
例えカバーをつけていたとしても乳首を吸われると、とても痛い。そりゃそうだ。今まで一度も外の世界に出たことない乳首なんだから、突然外の世界に出されてしかも割と強めに吸われたら痛いだろう。
本当にいつか痛く無くなるのだろうか。
このままずっと痛いのではないだろうか。
もう千切れてるんじゃないか?
色々なことを考えながら毎回授乳していた。赤ちゃんは生まれたてのくせに吸引力が結構ある。
最初の頃は乳首を吸引する乳頭吸引器を片方の乳首に装置、もう片方は哺乳瓶の乳首をあてて赤ちゃんに吸わせ10分経過したら左右入れ替えていた。
おっぱいマッサージ後は母乳もよく出て飲ませていない方もボタボタ母乳が出ていた。そうした母乳もとっておいて、最後に哺乳瓶でミルクを上げるときに一緒に飲ませていた。もったいない精神がすごいけど、初乳はそれだけ免疫・栄養があるので、出るのなら飲ませるにこしたことないということだろう。
ちなみに、利用していた哺乳瓶の乳首は母乳相談室のもの。母乳相談室は前述した桶谷式が作った哺乳瓶で、結構しっかり吸わないと出ない仕組みらしく最終的に母乳へ移行したい人にもオススメ・・・ということらしい。
といいつつ、本当はメデラの乳頭保護カバーをゴリ押しされていたのだが、あんなペラペラなもので吸われたら痛すぎて悶絶してしまうと思い、最初の二ヶ月くらいはずっと哺乳瓶の乳首をあてて飲ませていた。
入院中はまだ母乳の出が心もとないということで、母乳をあげたあとにミルクを与えるようにしていたが、退院直前に母乳の量を助産師さんに量ってもらったところ、母乳だけで十分な量が出ていたので、退院後は母乳だけでもOKと言われた。
帰宅して授乳にも慣れ乳首もよく伸びるようになった二ヶ月半くらいのときに、母乳相談室の乳首からメデラの乳頭保護カバーに変えてみたところ、思ったより乳首が傷まず、持ち運びや手入れも楽だったことから、ついに乳頭保護カバーに移行した。
メデラに移行してから分かったのだけど、入院中に助産師さんが何度となくメデラの乳頭保護カバーにしたほうがいいと言っていたのは、こちらの方がカバー自体が薄く実際の乳首に近いので母乳の出が良くなるからなのではないか、と思った。
ここまですべてが順調、ということはなく乳首が切れ、痛みで歯を食いしばりながら授乳したり、疲れからからか母乳が出にくくなったり色々なことがあったが、痛みに耐えるために馬油や保護クリームを塗ったり・ミルクを足したり・・・一つ一つ問題を乗り越えるとすっかりよく伸びる乳首になり、授乳はかなり楽になった。
▼ 私が授乳するにあたり使った道具たち
Medela メデラ 乳首 保護カバー コンタクト ニップルシールド
メデラの乳首カバーは、本来切れてしまった乳首に使う保護カバーだけど陥没乳首の授乳にも使える。
メデラ Medela 乳頭保護クリーム ピュアレーン100 7g 天然ラノリン 100%
乳首が切れたときに塗っていたクリーム。とにかく乾燥を避け早く乳首を回復させるためには保湿が重要だと思う。
ピジョン Pigeon 乳頭吸引器
マッサージ程度で出てこない乳首もこれで吸い出せば結構出てくる。狙った場所を吸いやすいのでオススメ。
ピジョン 桶谷式直接授乳訓練用 母乳相談室 哺乳びん ガラス製 SSサイズ乳首付
母乳をあげるためだけだったら乳首だけでもよかったけど、最初の頃はミルクもあげていたので、こちらのタイプを購入。母乳を上げるときに使う乳首はピンクのフタ部分から外して使用する。
ダッコ dacco 授乳用クッション ベージュ
この後、説明する授乳のときの抱き方「フットボール抱き」をするには授乳枕が必須だった。私が持っているのは、多分これと同じやつの病院バージョン。
抱き方は、最初はフットボール抱きで大きくなってきたら横抱きに
助産師さんに教えてもらい、最初のうちはフットボール抱きで授乳していた。
フットボール抱きは授乳枕を使用してお母さんの体と赤ちゃんの体を平行にする、というか小脇に抱えるというか。うまく説明できないので、詳しくは下記のサイトをご覧あれ。
上記のサイトにも書いてあるとおり、フットボール抱きは乳首を深く加えさせることができるので、授乳に不慣れない人にもオススメらしい。しかも片手がフリーになるので授乳も楽。
ただ大きくなると体が授乳枕からはみ出して危ないので、フットボール抱きはできなくなり普通に横抱きになる。その頃になると乳首も伸びるし横抱きでもしっかり授乳できるようになった。
ちなみに私は授乳枕を買っておらず、また退院した日は台風が来ていて買い物に行けなかったので病院で授乳枕を購入した。授乳枕はへたりやすいのでかんたんに綿を足せるものが良いと思う。
メデラの乳頭保護器に移行後に始まった哺乳瓶拒否
無事、メデラの乳頭保護器に移行して安心したのも束の間、今度は哺乳瓶の乳首を完全拒否するようになった息子。
当時はまぁいっか、って思ってたんだけど、人に預けられなかったり自分が風邪ひいた時も休めなかったりとっても大変だったので、哺乳瓶でも定期的に飲ませるべきだったのかもしれない。
ただ、母乳ってあげなくなるとでなくなる、という話を聞いてとにかく母乳あげなくては!!と躍起になっていたところもある。
メデラの乳頭保護器もシリコン素材なのに何故、哺乳瓶の乳首はダメなのか未だにわからない。
直母は諦めたけど、噛まれたときのダメージも少ない
最初のうちは、
- 哺乳瓶の乳首
- メデラの乳頭保護器
- 直母
という流れで、最終的には直母に移行しようと思ってたんだけど面倒くさくなって、メデラの乳頭保護器で今も母乳をあげてる。
というのも、息子は生後3ヶ月から歯が生えはじめ、噛まれるのが怖くて直母にできなかった。7ヶ月の現在後ろと下の前歯はしっかり生えてきており、時折ふざけて噛み付いてくる息子。
人によっては噛みつかれて切れるという話も聞くと私のヤワな乳首は乳頭保護器をつけて一人前なのかなと思ったり。
添い乳は乳首が強くなってから!
赤ちゃんを生むともれなくやってくる訪問助産師さんに言われたことは「このおっぱいの人は添い乳はだめ!!」ということだった。
確かに授乳を始めて2〜3ヶ月目のヤワな乳首じゃ速攻切れる。駄目と言われても自分の目で見るまで信じられない私は、実際やってそう悟った。
だが、5〜6ヶ月頃になると乳首もかなり伸びるようになり頑丈になる。なので私は時々添い乳してる。
添い乳して息子が寝たとき、乳頭保護器をどこに保管するかが一番の課題だったのだが、最近はブラトップの内側に入れておくか、乳首につけたまま寝ている。
余談だが、私は授乳の際お腹が冷えてしまわないようユニクロのブラトップを使用してる。夏はエアリズム、冬はヒートテック。そしてこのヒートテックブラトップがめちゃくちゃ暖かくて良いので、冬の授乳が寒い人にオススメ!
冬は、夏はとか言ったけど冬でもエアリズムは使ってる。二軍的立ち位置だが。
GUのブラトップは安いけど肩紐ベロベロになっちゃうので、コスパと着心地の点から私はユニクロ推奨。
真性陥没乳首でも扁平乳頭でも母乳育児はできる!
なんで、こんなに躍起になって母乳育児にこだわったのかというと、悔しかったからという点が大きい。当時、そこまで自分の胸に何のコンプレックスを抱いていなかったとき、母に「おっぱいあげるの大変ダネ〜」と何度も言われたり、QAサイトでも陥没乳首の人が相談すると、「そこまで母乳育児にこだわらなくてもいいのでは?」と言われていたりした。
え?なに?陥没乳首だったら母乳育児諦めないといけないの?できないの?こだわっちゃいけないの?
大変って言う割にはどうすべきか、どうやって母乳育児まで進めればいいのか誰も具体的な話しないし、教えてくれないしなんなんだよ!と思って。
ネットで色々調べても仮性陥没乳首の話ばかり、マッサージをしようとか何をしても乳首が出てこない人には参考にならない話ばかり。
まぁここまで自分の体のこと赤裸々に書くのは恥ずかしいけど、同じ悩みをもつお母さん達の参考に少しでもなれればと思う。